多くの見物客の皆さんが集まることも! |
ひと昔前であれば、ダムは無駄だと言われたり、行政のトップが脱ダム宣言なるものを発表したりと、ダムは世間からは冷たい目で見られていました。
しかし、それももはや昔の話といっても過言ではないでしょう。
全国各地のダムの試験放流に数多くの見物客の皆さんが集まったり、ダムカードというカードタイプのパンフレットが配られるようになれば、それを集める人(もちろん私もダムカード集めています)が出てきたり、ダムの近くの飲食を提供するお店でダムカレーというご飯をダム堤体、ルゥを貯水池に見立てた盛り付けをするカレーが出てきたりしています。
ダムカード。 平成31年には天皇陛下御在位三十年を記念した特殊なデザインのダムカードも配布されました。 |
ダムカレー。 |
種類によっては、具材をご飯(堤体)から引き抜くとルゥ(貯水池)が"放流"される様を表現しているものもあります。 |
ダム堤体をライトアップするイベントも行われています。 |
秋田県のおすすめダムはここ!
1. 玉川ダム(スペックは→こちら)
玉川ダムは堤体が大きい |
玉川ダムは、秋田県仙北市にある重力式コンクリートダムです。
堤高は100m、堤頂長は441m。
玉川ダムは秋田県内の重力式コンクリートダムでは最大の大きさです。とにかく大きい!
東北最大級の総貯水容量(2億5,400万㎥)を持つダム。ダム湖の宝仙湖は瑠璃色でとても美しい。
玉川ダムの宝仙湖 |
ここ数年は、毎年5月にクレストゲート試験放流が行われています。
5月のクレストゲート試験放流 |
管理事務所の隣には玉川ダム広報館があり、ダムサイトの自然や、ダムに沈んだ当時の住民の生活の記録を知ることができます。
玉川ダム広報館 |
ダムに行ったら、広報館(資料館・ものしり館等)があるダムも多いと思います。ぜひ寄ってみてください。
2. 森吉山ダム(スペックは→こちら)
堤体の岩石が均一で美しいロックフィルダム |
秋田県北秋田市にあるロックフィルダムです。
堤高は89.9m、堤頂長は786mあるそうです。
堤頂長786mという長さは、東北のダムで一番長いとのこと。
距離が長いうえに、堤体が少しカーブしているので、向こう側が見えないくらいです。 |
放流の様子 |
ダム天端の管理用通路から洪水吐の底の方まではかなりの高さがあることがここでわかります。
写真ではお伝えすることができないので、是非現地に行って確かめてほしいです。
ダム湖は「森吉四季美湖」 |
森吉山ダム広報館では森吉山ダムカレーが食べられます。盛り付けの見た目はシンプルに仕上がっているけど味は濃厚でとても美味しい。
森吉山ダムカレーも美しい |
3. 成瀬ダム
成瀬ダムは現在建設中です。 |
日に日にダムサイトが形になっていく姿を見ることができるのは今だけですね。
現場にはたくさんの重機が活躍しています。 |
完成すれば、堤高114.5m、堤頂長は532.5mになる予定だそうです。
ダム見学会も積極的に行われており、ダム建設地の東成瀬村の地元のイベントとコラボレーションしています。
成瀬ダムカレーが食べられます。 |
完成は2024年度だそうです。今から楽しみですね(^^)
4. 鎧畑ダム
鎧畑ダムは、秋田県仙北市にある雄物川水系玉川の重力式コンクリートダムです。
玉川なので、玉川ダムの下流にあります。
堤高は58.5m、堤頂長は236m。
融雪期には豪快なクレスト放流が見られます。
玉川ダムのクレストゲート試験放流のときは、その下流にある鎧畑ダムにも大量の水が流れ込むことになるので、鎧畑ダムでもクレスト放流が行われる可能性が非常に高いといえます。
鎧畑ダムのダム湖「秋扇湖」も青い湖です。 |
鎧畑ダム(竣工昭和32年)は玉川ダム(竣工平成2年)の先輩です。玉川ダムの建設に伴い、既存の放流設備だけでは放流しきれなくなるとのことで、当時日本で初めて、鎧畑ダムのダム堤体を削孔し、利水放流設備を設置したという経緯があるそうです。
ダムも状況に合わせてリニューアルされているんですね。
しかし、豪快なクレスト放流です |
玉川ダムのクレストゲート試験放流を見に行った際には、合わせて、鎧畑ダムにも足を運んでみてください。
5. 森吉ダム(スペックは→こちら)
山奥の秘境の人口建造物 |
森吉ダムは、秋田県北秋田市にある重力式コンクリートダムです。
堤高は62m、堤頂長は105mあるそうです。
森吉山ダムの上流にありますが、森吉ダムまでは、自動車で30分くらいかかります。
時間に余裕をもってお越しください。
クレストゲートからの放流は圧巻です。 |
残念ながらふらふら天端を歩くことは基本的にできませんが、ダム直下には結構近くまで行くことができます。
森吉ダムの「太平湖」 |
ダム湖の太平湖には、毎年6月から10月末頃まで遊覧船が運航されていて、原生林の風景や、紅葉が見事です。
6. 大松川ダム(スペックは→こちら)
大松川ダムは、秋田県横手市にある重力式コンクリートダムです。
堤高は65m、堤頂長は296m。
国道107号線から大松川ダムの看板を頼りに山へ向かうと、自動車で2~3分でダム堤体が見えてきます。アクセスしやすいダムですね。
春には、ダム上流の大松川ダム公園に芝桜が咲いて、多くの見物客の皆さんが訪れます。
融雪期には、オリフィスゲートからの放流が行われ、その姿から"泣き顔放流"とも呼ばれています。
大松川ダムの泣き顔放流 |
大松川ダムカレー。泣き顔放流を忠実に再現。 |
ダムの近くには道の駅や温泉があります。観光の一環として、ダムに足を運ぶには、大松川ダムはいい場所ではないかと思います。
いかがでしたか?
他にも皆さんに見てほしい秋田県のダムはたくさんありますが、紙面の都合でこの辺で。
山奥の巨大な人口建造物であるダムに興味を持っていただけたらと思います。