2017年10月15日日曜日

ダムの洪水調節

ダムは台風や大雨などによって洪水が発生したときに下流への放流量を調節して、下流部の洪水被害を軽減させる機能があります(全てのダムにあるわけではありません)。



写真の旭川ダム(秋田県)は、治水専用のダムです。

ダムは、洪水に備えて予め容量を空けて、洪水に備えているそうです。

そして、いざ洪水が発生しそうになり、大雨が降って大量の水がダムに流入すると、ダムは水をためこみ、川に流す水量を減少させるそうです。

想定を上回る大量の水が流入した場合は、ダムに流入する水量と、河川に放流する水量が等しくなるそうです。しかし、流入量よりも放流量が多くなることはありません。

大雨が去って、ダムへの流入量が減少したら、下流の河川の状況に応じて放流を行い、水位を下げるそうです。


写真は田瀬ダム(岩手県)です。大雨の後で、ダムには山からの流木などが堰き止められています。


参考文献:国土交通省 中国地方整備局 弥栄ダム管理所
http://www.cgr.mlit.go.jp/yasaka/about/shikumi/shikumi4/shikumi4.htm

ダムと工業用水

工業用水とは、工場などで使用される人体に直接接しない雑用水のことを指すそうです。設備の冷却水やボイラー用水などのことを指すそうです。

工場で水が大量に消費される場合、川などから取水すると川の水がなくなって様々な悪影響を多方面に及ぼすことがあるそうです。


また、経済産業省のホームページによると、

“工業用水、工業用水道事業とは「工業用水道事業法(昭和33年、法律第84号)」でいう「工業」とは、製造業、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業を指し、これらの工業の用に供する水(水力発電用、飲用を除く)のことを「工業用水」といいます。「工業用水道」は、導管により工業用水を供給する施設をいい、一般の需要に応じ工業用水道により工業用水を供給する事業を「工業用水道事業」といいます。”

ということだそうです。ちゃんと、法律で定義されているんですね。

川から工業用水道を引いたときに、川の水を補うためにダムの水を使ったり、工業用水専用のダムもあるそうです(北海道の幌別ダムなど)。

ダムと流水の正常な機能の維持

ダムは河川を堰き止めて建設されるそうですが、河川には生態系や水質保全、利用目的などによって必要な流量があるそうです。

渇水期にその必要な河川の流量が確保されないと、様々なよくない影響を及ぼす恐れがあることから、ダムに溜めた水を放流して川の流量を保つそうです。

また、ダムができる前からその河川の水を農業用水として使用される場合もあり、渇水期でも安定した流量を確保する役割があるとのことでした。



写真は、玉川ダムの下流の河川です。穏やかに流れています。

ダムが建設されることによって、生態系保全の役割を果たしてくれるということだと思いました。


参考文献:国土交通省HP(ダムコレクション)
http://www.mlit.go.jp/river/damc/index.html 

ダムの発電

ダムの役割はいくつかあります。

発電も、ダムの役割に含まれています。

ダムによる発電は水力発電です。

水力発電とは、水の流れによって水車を回して、それによって得た動力で発電機を回すものだそうです。

ダムで行う水力発電は、その名の通り、ダム式とダム水路式があるそうです。

ダム式というのは、川の途中にダムを作って水を堰き止めます。それによって水位を上昇させて、その落差を利用して発電する方式のことをいうそうです。

ダム水路式というのは、ダムの水を水路を用いて下流に導いて、大きな落差を利用して発電する方式のことを指すそうです。




こちらは、玉川ダムの画像です。ダム堤体の真下に、玉川発電所が小さく見えます。玉川発電所はダム式の発電所型式だそうです。




秋田県の皆瀬発電所は、ダム水路式の発電所型式だそうですが、あいにく撮影していませんでした。ごめんなさいm(_ _)m

ちなみに、玉川ダムは国土交通省の管轄ですが、玉川発電所は秋田県営なんだそうです。

ダムの発電について今現在知っていることを書きましたが、今後も加筆修正していきます。よろしくお願いします。

ダムの種類

ダムの構造の違いによる種類を紹介します。


重力式コンクリートダム
コンクリートで作られる、貯水池からの水圧をダム自身の重量で堰き止めるダムです。そのため、ダムを支える基礎岩盤がしっかりしていないと建設することができないそうです。



玉川ダム(秋田県)


○中空重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムの内部が空洞になっているダムです。コンクリートの量は節約できますが、その代わり構造が複雑になってしまうそうで、最近はこの形式で建設されるダムはないそうです。



蔵王ダム(山形県)


アーチ式コンクリートダム
コンクリートで作られる、アーチ状のダムです。水圧をダムの両岸の岩盤に支えてもらっているそうです。両岸の岩盤が強固なものでなければ建設できないそうです。



鳴子ダム(宮城県)



重力式アーチダム
重力式コンクリートダムとアーチダムの両方の特性を持っているダムだそうです。水圧を両岸に伝えつつ、ダムの自重でも支えているそうです。



湯田ダム(岩手県)


アースダム
主に土を材料に、台形状に形成されたダムのことを指すそうです。アースダムは古くから世界各地で建設されていたそうです。材料が均一なダムもあれば、中央部などに遮水性の土質遮水壁(コア)があるダムもあるそうです。



羽根川ダム(秋田県)


○ロックフィルダム
岩石や土砂を主材料としたダムです。コンクリートダムを建設できないような岩盤に建設されることがあるそうです。ダムの中央に水を通さない遮水壁(コア)があるそうです。また、堤体積は大きくなる傾向があるそうです。



森吉山ダム(秋田県)


○重力式コンクリート・フィル複合ダム
重力式コンクリートダムとフィルダムが合体しているダムのことを指すそうです。



御所ダム(岩手県)


○バットレスダム
コンクリートの遮水壁と鉄筋コンクリートのバットレス(扶壁)からなるダムのことを指すそうです。鉄筋コンクリートが垂直・水平に格子状に設置されているそうです。コンクリートが高価だった時代にこの形式のダムが建設されたとのことですが、コンクリートが安価になると構造が複雑であるために建設されなくなったとのことです。


○台形CSGダム
砂礫をセメントで固めた材料で台形状の形成されるダムのことを指すそうです。日本で開発された技術が用いられているそうです。



成瀬ダム(秋田県・建設中)