2012年9月21日金曜日

そこに山があるから(前編)

先日のことです。ふと思い立って、山の方へ行こうと思いました。

そういえば、前に通った林道で、なんか寺だか神社だかが上の方にあるって看板があったような…

そんなおぼろげな記憶を頼りに、行くことに決めたのです。

一応、何かあった時のために、飲み物は水をチョイスしました。海洋深層水がどうたらこうたらってやつです。あと、最近は物騒なので、熊が寄ってこないように鈴を持って出かけました。

車を走らせること数十分。軽自動車で林道は馬力がないので大変です。まあ、舗装されている道なので、大丈夫なのですが、ガードレールがなく、ミスったら終わりなのは周知のとおりです。



目的地に到着しました。この看板です。このときはじめてまじまじと見ましたが、遊歩道と書いてあります。親子連れと思しきキャラクターが楽しくハイキングしているように見えます。

そして、途中に「白瀧観音」「三本杉」山頂に「塩湯彦神社」があるようです。私自身の体力と相談して、行けるところまで行くことにしました。

空は快晴でした。この山へ行ったときはまだ暑く、立っているだけで汗が出てくる感じでした。



遊歩道なので、例のポイントまで車で上ることはできないようです。車止めが打たれていました。この案内図のところで車を降りて、私は坂道を登って行きました。


坂道は舗装されていて、歩きやすそうに見えましたが、傾斜がハンパなかったですね!いや、それほど急な坂ではありませんでしたが、私の脚力では結構しんどかったです。以前よりは運動はしているつもりでしたが、坂道を完全にナメていました。

何も見えてこないまま、延々と坂を上ります。途中、たなびくススキが秋の訪れを感じさせました。時折吹く風が、私の体を包み、ブルっとさせました。心地よい風です。

ようやく、新たな看板が現れました。


看板は、雪のせいでしょうか。みごとに倒れていました。この看板には、歴史とかが書かれています。そして、この先500メートルに、その「白瀧観音」があるようです。足もとに充分お気をつけてお登りください、と書いてあります。


看板の矢印は左を向いています。左に目を向けると、



下調べを何もしなかった私も悪いですが、参道がこんなにも酷い道だったとは!!道というよりは、ただ岩をごろごろと置いただけの感じです。人の手が加えられた印象は全くありませんでした。

足元に気を付けてってレベルじゃねーよ。否応なしに気を付けざるを得ません。参拝するには、過酷な道を歩かねばならないようですね。



ひどい。汗が体中から流れてきます。一歩一歩、足を踏み外さないように細心の注意を払い、進んでいきました。

進むごとに、岩が大きくなってきます。体力がどんどん削られてきます。足も腕もプルプルしてきました。

体力も限界に近づいた、私の目の前に現れたのは…!!



水がほとんど流れていない滝の岸壁でした。

そう、私は一生懸命に滝を登っていたのです。

言われてみればおかしいわけですよ。麓にはあんなに立派な看板を立てておいて、そこまでの道を全く整備しないなんてことはあり得ませんよ。

登ってきた疲れがどっと押し寄せました。これからまた下へ降りねばなりません。ある意味登るよりも大変です。足を滑らせたらそこで試合終了です。

まあ、なんとかあの看板のところまで戻ることができました。



写真には写っていませんでしたが、この岩の右側に草が生えていますね。その下には、人が歩けるような砂利が敷き詰められていました。さらにその上には、階段とロープが付いていました。

しかし、先ほどの滝登りで、私の体力は限界に達していました。もう登れませんでした。意地でも行こうと思いましたが、このまま帰ってこれなくなったら大変なので、麓で参拝させていただきました。

山頂にいらっしゃるであろう神様、仏様に手を合わせたら、一瞬、風が強く吹いたような気がしました。

体力は限界なので、舗装された遊歩道を下りることさえも大変でした。下り坂なので、足が勝手に動いてしまいます。もはや足に力が入れられないので、勝手に動かれると転んでしまいます。転ぶまいと踏ん張ると体力を消費します。負のスパイラルが大変でした。

車の姿が見えた時には感動しました。

これで無事に帰れる!



へとへとになりながら、車まで戻ってくることができました。

もうこんなことはたくさんだと、タバコをふかしながら思いました。



後半へ続く

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