2024年1月3日水曜日

太宰治さんの『人間失格』を読みました


 太宰治さんの『人間失格』を読みました。

人との付き合い方がよくわからない主人公が、お道化るなどして自分の本心を偽りながら生きていく姿が描かれています。太宰治さんの半生をもとにした、自伝的小説であると言われることもあります。

この主人公は、小学校?中学校?でわざとお道化た姿をクラスメイトに見破られて驚いたり、故郷の有力者だった父から物理的に精神的に逃れるために上京し、非合法活動に参加してみたり、知り合った女性と心中して女性は死に、自分だけ生き残って自暴自棄になってみたり、平穏な生活を送ろうと思っても、幸せにあと一歩のことろで手が届かず、薬物中毒になってみたり、最後は廃人のように空っぽになって生きる羽目になってしまいます。

私はふと、夏目漱石さんの『草枕』の冒頭の一文を思い出しました。

“智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。”

本編の主人公も、反論すれば面倒だからあえてそのまま相手の言い分を聞いてみたり、生きづらさを感じたりしながら肉体的に精神的に破滅の道を歩んで行ってしまいますね。

でも、実際私も普段は平静を装って生活していますけれど、生きづらいと思うときもありますよね。会話のキャッチボールがうまくいかくて、あとで反省することがなかった時があったであろうか疑問に思うくらいです。

反省して、改善して次に良い結果を出せるようにしなければいけないのですね。幸い私はお酒が全く飲めないので、酒におぼれることは考え難いですが、ヤケ食いする可能性は大いにあるので気を付けたいと思います。

この小説を読み終えると、いつも気分が落ち込んでしまいます。この主人公は、私よりも壊滅的な人生を送っていながら、その一方で人に甘える術を持っているので、うらやましいと思うところもあるからです。私の場合は、家で布団にくるまって、ただ新しい太陽が昇るのを待つことしかできません。

生きづらい性格ですが、前を向いて歩いていきたいと思います。

そう思いました。

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